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「ちっちゃなほわほわかぞく」

わが家にある絵本の中で、子ども達が特に気に入ってるもの。
「ぐりとぐら」、「14ひきの・・・」、「わたしがあかちゃんだったとき」(赤ちゃんが出てくるお話、凛が特に大好きです。)、「よるくま」、「あかたろう」、「はじめてのおつかい」「しんせつなともだち」「パンやのくまさん」・・・あげればきりがありませんが、
その中でも、不思議な雰囲気に引かれて夜寝る時に読んでとよくせがまれる絵本があります。

「ちっちゃなほわほわかぞく」。

絵は、私が小さい頃大好きだった絵本「しろいうさぎとくろいうさぎ」の作者として有名なガース・ウィリアムズ。
文は、オバマ大統領が大絶賛したという絵本「おやすみなさいおつきさま」で有名なマーガレット・ワイズ・ブラウン。
こんな強力タッグの二人が1946年に発表したお話だそうです。
英題は「Little Fur Family」。
これを「ほわほわ」と訳したのは谷川俊太郎さん。名訳です。

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この本は数年前、すでに絶版となってしまったものを、長崎の小さな(でも素晴らしい)絵本の出版社「童話館」が復刊し、そこの“ぶっくくらぶ”から数ヶ月前、わが家に届いたものです。

とにかくこの不思議で愛らしいほわほわかぞくにすっかり心を奪われてしまった我が子たち。
凛は一通り読んでもらうのが好きで、琉生はほわほわとうさんとほわほわかあさんがほわほわぼうやに歌を歌いながら寝かせているページがお気に入り。
その歌を私が勝手なメロディーで歌うのをやってやって、と何度もベッドでやらせます。
くまなのか、いぬなのか、ちょっとはっきりわからないほわほわかぞく。
ざわざわのもりの ぬくぬくのきに 住んでいます。

さて、偶然にも最近お友達に借りた「ku:nel」に、このガース・ウィリアムズさんの特集が載っていました。「しろいうさぎと・・・」の絵本以外にも、「大草原の小さな家」シリーズの挿絵でも有名な画家だけど、日本ではその素顔はほとんど知られていないのだそうです。

動物が大好きで、特にふわふわの毛の動物を愛したガース。
晩年はメキシコの古いお城を買ってそこで40匹ほどの動物と、40歳歳の離れた最後の奥さんと愛娘と仲良く暮らしたのだそうです。
母親の違う子ども達が6人いて、最後の愛娘は66歳の時の子。
一緒にダンスをしたり、チョコレートアイスクリームを食べたり、どこにでも連れていき、亡くなるその時は17歳になった娘の腕の中で息をひきとったそうです。

そんな記事を読んでいると、子ども達がこの絵本に惹かれるわけがわかりました。
絵本の中のほわほわかぞくは表情豊かで、とても温かいのです。

とうさんは朝、「おはようさん」といってから、ぼうしをかぶってほわほわせけんへお仕事へ。
かあさんはぼうやをお風呂に入れると、服を着せ、ぼうやはそれから近くのざわざわもりへ遊びに出かける。
そして、川でいろんな発見をして遊ぶ。
日が沈むと家に向かって走って帰る。
まっくらになると、かあさんはぼうやをだきしめ、よるごはんをあげる。
とうさんはぼうやをおぶって寝床へ運ぶ。
そして、寝る時は眠りにつくまでそばでとうさんとかあさんが歌を歌ってくれる・・・

そんなほわほわかぞくの毎日がとても優しく、子ども達も聞いているとほっとするのでしょう。
50年前の絵本とは思えない、色あせない物語。
ほわほわ、ふかふか、見てるだけで癒される絵。
こんな絵が描けるのは、子どもと動物にいつも優しい心で寄り添っていた人だから・・・
ガースさん、「ku:nel」であなたのことを知ることができて、さらにこの絵本が大好きになりました。このほわほわさがとってもステキです。
ぜひ、みなさんにおすすめの絵本です。
(そして、絵本の復刊に力を入れている童話館ぶっくくらぶも、かなりおすすめです^^)

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by DaiyaAO | 2010-06-27 21:38 | えほんのはなし
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